帰化許可の要件

住所要件（国籍法第5条1項1号）

引き続き5年以上日本に住んでいることが必要です。
中断があった場合は認められず、はじめからカウントされることになります。1週間や2週間の旅行程度なら「中断」とはなりませんが、半年など日本を離れた場合は要注意です。
なお住所は適法なものでなければならず、正当な在留資格を有していない不法入国などの場合は住所要件として認められません。

ただし次の要件に該当する場合、要件が緩和されます

能力要件（国籍法第5条1項2号）

20歳以上であって、本国上でも能力者であること。
帰化申請者は日本と帰化申請時の本国で成人に達している必要があります。
日本では20歳で成人となり行為能力が認められますが、何歳で成人に達するかは国によって異なります。帰化希望者が21歳であった場合でも、本国法の成人年齢が22歳であった場合、その人が22歳にならないと日本において帰化申請を行うことはできないということです。

※先述の緩和要件のうち、④・⑤・⑥・⑦・⑧・⑨のいずれかに該当する場合はこの要件は免除されます

素行要件（国籍法第5条1項3号）

素行が善良であること。
素行が善良であるというのはやや抽象的な要件ですが、社会一般の人の基準で考えて特に問題のない生活を送っていればよいということです。
判断基準としては以下のようなものがあります

• 前科･犯罪歴など
• 交通事故・交通違反など
• 納税状況
• 社会に迷惑をかけるような行為をしていないか

これらのことについて判断されますが、例えば軽微な交通違反がある場合などはあまり問題ないのですが、回数が多すぎたりする場合は影響が出る場合もあるようです。
要件について不安のある方はご相談ください

生計要件（国籍法第5条1項4号）

自己または生計と一にする配偶者その他の親族の資産又は技能によって生計を営むことができること。
自分自身に収入がない場合でも、同居している家族が扶養してくれている場合は生計要件を満たすこととなります。「生計を営むことができる」については、最低限生活が出来るレベルであれば問題ありません。

※先述の緩和要件のうち、⑥・⑦・⑧・⑨のいずれかに該当する場合はこの要件は免除されます

重国籍防止要件（国籍法第5条1項5号）

現在国籍を有しないこと、または、日本国籍を取得することによって現在有している国籍を喪失すること。
日本では重国籍（日本国籍以外にほかの国の国籍も持つこと）は認められていません。そのため、帰化を申請する者は、日本の国籍を取得したときには元の国籍を喪失または離脱することができることが必要となります。

国によって国籍の喪失の要件が異なっていますので、注意してください。

思想要件（国籍法第5条1項6号）

日本国憲法や日本政府を破壊させるような思想をもっていないこと、 また破壊させることなどを企てる政党や団体を結成したり、そのような団体に加入していないこと。
日本にとって危険人物である、またはなるような恐れがある人には、帰化を認めないということです。テロ組織に加入していたり、過去に加わっていた場合などがこれにあたるのでしょう。

日本語能力要件

日本語の読み書きができること
条文に規定されているわけではありませんが、要件とされています。小学校低学年の読み書きのレベルが基準となっているようです。